Question  私は今、妊娠6週目になるんですが、普段から便秘薬を飲まないとお通じが悪いんです。だけど、最近は「センナ」という、お茶を飲んでお通じを良くしてるんですけど、あまりにきき過ぎていつも下痢になるんです。ですから今は、2日か3日に1回ペースでお茶を飲んでます。でも、センナのお茶も赤ちゃんに悪いんですか?漢方薬の下剤も駄目なんですかねぇ?やっぱり一番不安なのは危険な赤ちゃんが産まれてくるかもしれないという事です。つい5日ほど前は、2、3日間ほど出血が続いたんです。3日目くらいから出血は止まって普通に戻ったんですが、ちょっと腹痛もあります。私が通ってる病院は総合病院なのでいつも人がいっぱいでゆっくりお医者さんとお話する事もあまり出来ません。  Cat

Answer  妊娠するとホルモン分泌が変化し、胃、腸などの消化管の運動にかかわっている平滑筋の運動が弱まり、多くの方は便秘傾向となります。この便秘は妊娠中のマイナートラブルとして考えられていますが、現実にはその苦しみは想像異常のものがあると思います。

妊娠初期の「つわり」や妊娠による子宮増大、体重増加に加えて、頑固な便秘が加わるとストレスはかなりのものでしょう。妊娠中は日々の爽快な排便がいかに大切であったかが自覚されることになります。妊娠中は骨盤の底も緩みやすくなり、さらに上から大きな子宮がかぶさってきており、排便時の脱肛や外陰静脈瘤も起こりやすく、妊娠前から肛門部や痔核の炎症があればそれも増幅されます。早めの便秘の手当てが重要です。

お産や手術の前にも必ず浣腸をして、腸内容を出しておく必要があります。また、分娩後の産褥期にも便秘は起こりやすく、便秘自体は子宮復古(妊娠、分娩によって変化した子宮の状態が、妊娠前の状態に戻ること)を妨げることになります。適切な方法によって、便秘を改善させる必要があります。

一般的なお話として、まず果物、野菜など繊維質の食事を多くとり、毎朝食後の排便を試みましょう。毎朝食前に冷たい水や牛乳を飲んで消化管を刺激することもよいでしょう。このような食餌療法によって規則的な排便習慣をつけることが大切なことだと思われます。

しかし、食餌療法によって改善されない場合は、躊躇することなく薬物療法をされるべきです。センナについても問題は報告されてはいませんが、効きすぎて下痢になるような状態では、わずかではありますが子宮収縮を引き起こす可能性があります。とくに切迫流産、切迫早産の状態にある方は注意が必要でしょう。調節性のある薬剤を選択された方がよいと思いますので、主治医に申し出て緩下剤を処方してもらうべきでしょう。「くせになる」とか「薬にたよらない」などと考え、緩下剤の服用をせずにがんばる方もおられますが、全く意味がありません。

緩下剤服用にても改善しない場合は坐薬、浣腸といったことになりますが、主治医にご相談のうえで処置を受ける必要があります。