Question  今妊娠7ヶ月なのですが、HTLV-1抗体が陽性なので、再検査するといわれ採血されました。その結果によっては母乳をあげられないとも聞きましたが、、、。  Cat

Answer  HTLV-1とは白血球(リンパ球)に感染するウィルスの1種で「ヒトTリンパ球向性ウィルス-1型」の略です。このウィルスの感染によりきわめてまれにではありますがATL(成人T細胞白血病:リンパ球の一種であるT細胞ががん化する疾患)やHAM(HTLV-1脊髄症:歩行障害や排尿障害を引き起こす脊髄疾患)などを引き起こすことがあるとされています。

現在はすべての妊婦さん、献血者において HTLV-1抗体検査が行われています。検査法はまずスクリーニング検査を行い陽性であった場合は、確認検査を行うのが一般的です。おたずねの場合はこの確認検査を行っているものと思われます。その確認検査で陽性となればキャリア(保菌者)ということになります。

このウィルスはキャリアからの大量の生きたウィルス感染細胞(リンパ球)が体内に入ることによって感染します。しかもこのウィルス感染細胞は乾燥・熱・洗剤で簡単に死滅するため、水・衣類・食器・寝具・器具などを通して感染することはなく、蚊、銭湯はもちろんクシャミ、咳などの飛沫でも感染しません。職場での感染、歯科治療、鍼治療、理髪などによる感染もありません。大きな感染ルートとしては母子感染と性行為感染が現在考えられています。

(1) 母子感染については大部分が母乳中のリンパ球によるもので、長期授乳による母子感染は約20%程度といわれています。母乳中止によって母子感染は減少させることができ、また母乳も直接授乳ではなく搾乳したものを凍結融解処理(-20℃、12時間)すれば感染力はほとんどなくなると考えられています。

(2) 性行為感染は精液中のリンパ球がウィルスを運ぶため、男性→女性への感染が主体となります。夫から妻への感染がおこったとしても、子供への感染は母子感染防止策により防ぐことが可能です。また重要なことは成人してから感染を受けた場合のATLの発症は報告がありません。さらに性行為感染はコンドームを使用することによって防止することが出来ます。

以上よりキャリア発生の予防には母子感染防止が最も重要なことと考えられており、全国的に取り組まれています。